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2009/4/8(水)

 雲雀

 
 

 春、桜が散り始める頃に何処からともなく聞こえてくる雲雀の鳴き声、あんなに一生懸命鳴かなくてもとおもうほどに、天高くからその泣き声は聞こえてくる。楽しく聞こえる人も悲しく聞こえる人もいるのだろう。

 東北地方の民話に、かつては太陽が地上暮らしをしており、当時(?)ヒバリは金貸しをしており、太陽にも貸し付けた。ところが、返さぬままに偉くなって天上に昇ったため、同地では、ヒバリが空にあがるときは、ヒイチブ(日一分)ヒイチブと鳴き、もちろん太陽までたどり着けないためあきらめて下りながら、「日いさんくそ喰えくそ喰え」とか、ツキニシュ(月二朱)ツキニシュと利息を請求しながら飛び降りるのだという話です。また、ヒバリの鳴きを聞くのに、次のような聞きとり方もあるようです。「一升貸して、二升とる。一升貸して二斗とる。利取る利取る。利に利食う利に利食う、のちや流す」と。

 

 雲雀も鳴禽類だそうだが、ある種の鳴禽類は脳のサイズがほんの米粒大から大きくてもピーナッツほどしかないが、一生のうちに数百ものメロディーを習得できる。まるで小さなジャズシンガーのように、即興で歌をつむいでいるようだ。もっとも雲雀には米粒程の脳しか無いように思うが、その学習能力は素晴らしい。
 『人間と、ごくわずかだがある種の動物――鳴禽類、コウモリ、イルカや鯨など――の場合はもっと複雑だ。こうした動物にも自然に出せる声はある――人間の赤ん坊があげる泣き声が、その一例だ。しかし、それ以外の音声については、体内に持つ音声のデータベースからデータを引き出すある種の模倣、「発声学習」と呼ばれる能力を通して習得する。「驚くべきことに、こうした能力を持つ動物は非常に少ない」とマーラー名誉教授は指摘する。』

「下着に 気をつけろ 崩れる 崩れる」

「今なら まだ 間に合う 間に合う」


 と雲雀に覚えて欲しいものだ。そして、薄着の季節が到来するこの時期に、天高くからその美しい声で叫んで欲しい気もする。



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